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    「一世一代」


    「一世一代」

    一世一代なんて読んで字のごとく、何回もあるようなものじゃない。
    お堅く言うつもりもないけれど、簡単に使っていいような言葉でもない。
    そんなことは百も承知。承知の上で、それでも言いたい。
    自分にとって。HOWL BE QUIETにとって。

    一世一代のアルバムが出来ました。

    「んなまた大袈裟な」
    そう思われてしまったら仕方がない。
    笑えるぐらい当たり前なことだけど、同じ人間ではないのだから仕方がない。
    恋人と別れようと、親族が亡くなろうと、他人から見たらゴミ同然のような紙切れを一生の宝物にしていたって、100%理解してもらうことなんて出来ないし、逆も然り。
    どうしようもなく他人事にしかなれないことだってたくさんあるんだから仕方がない。
    それでも、こうやって文章にしているのは、たった1%でもいいから、僕らの想いが届いて欲しいと思ったから。
    そして、どんなに泥臭くても、格好悪くても、このアルバムを聴いて欲しいと思ったからです。

    2007年、バンドに夢を見て音楽部(僕の高校では様々な理由から軽音部ではなかった)に入り、初めてギターを触り、アンプで爆音を出す気持ち良さに溺れながら、バンドという生き物に触れ合ってきた。
    そして、2008年。初めてオリジナル曲というものを作る。それを同級の部員や、先輩などに褒められて、それが何より嬉しくて。特に勉強が出来るわけでも、スポーツが出来るわけでもなく、可もなく不可もないような人生を歩んできた16歳にとって、衝撃的なほど嬉しかった。今、思い出しても、あの時が全ての始まりだったなあと思う。
    そして2009年。部活仲間だった黒ととーる、バンド友達だったはっしー(前ベースね)とバンドを組む。

    これがHOWL BE QUIETのはじまり。

    それからもう10年経ってしまった。

    大人になりたくないなーって馬鹿みたいに思う。
    若さというか、無鉄砲さを羨むことがたくさんある。
    10年前より歌も上手くなったし、背も伸びたし、いろんな曲をたくさん書けるようになった。けど、根拠もない自信しか持たず、負けイベだろうと容赦無く特攻してたあの頃の自分たちに戻りたいと思ったりもする。アホみたいに「ポルシェ!ポルシェ乗りてえ!」とかほざき散らかしてた馬鹿なおれを愛らしく思ったりもする。

    でも戻れはしないんよね。
    漫画じゃないから。悲しいくらいに現実なのです。
    昔は未来を想像するのが大好きで。ハタチになったらこうなってたい、とか。
    25歳ではバンドでこのステージ立ってたいとか、ずーっと妄想してはニヤニヤしてて。妄想すんのはタダじゃない?楽しいじゃない?
    大好きだったのよ。そういうの。
    その歳になって、描いてた未来と違くても、そっからまた未来設計書き直したりして。それも楽しかったのね、わたし。ずーっとやってた。
    でも、いつからかしなくなってた。いつからしてないかも覚えてない。
    若い時の自分の夢を裏切っていく今の自分が嫌だったんだろうなー。
    怖かったんだと思う。目の当たりにするのが。
    DECEMBERっていうインディーズ1枚目、初めての全国流通盤を出して、世界が変わると思ってた。日常が変わると思ってた。

    でも、変わらなかった。

    現実はそうは問屋が卸さない。それでも、新曲を作るたび、CDを出すたび、世界が変わると信じ続けた。何かが変わるはずと祈り続けた。メジャーデビューの時もそう。

    それでも、世界は変わらなかった。

    同期のバンドが売れていくのを横目にしたり、一緒に対バンしてたバンドが気付けばアリーナを埋めていたり。比べても何にもならないけど、悶々と悔しさだけが募っていって。
    そうこうしている内に、はっしーから「バンドを辞めたい」と告げられた。
    確か初めての恵比寿LIQUID ROOMの翌週とかだったっけな。
    2016年9月とかだから、なんやかんや3年くらい前か。そこで初めて思った。
    あーバンドって全然当たり前じゃないんだなーって。
    本当に奇跡的なバランスと熱量と想いの上に成り立っているもので、曲を作ってスタジオに入れることも、ライブが出来ることも、音源を出せることも、全く当たり前じゃない。
    たられば論を語ればキリがないけど、人間いつ死ぬかわからない、もしかしたら今日死ぬかもしれない。おれも、あなたも。それぐらい不確かで、漠然とずっと孕み続けているもので。そして、それでも盲目に走り続けることには時間制限もあるってことを、改めてその時思い知ったんだよね。それは人それぞれなとこもあるけど、有限ではある。

    今回のアルバムの取材で話しているから、今後色んな場所で見ることもあるかもしれないけど、本当に解散も考えた。
    解散の”かいさ”くらいまでいった。
    いや、”かい”ぐらいかも。いや、まじでどうでもいいこれ。
    とにもかくにもそのぐらい、一回終わりを覚悟した時があったんよね。
    ここが潮時か、みたいな。もちろん音源を出せるような状況でもなかったし、ライブを出来るような状況でもなかったから、たくさんみんなにも心配をかけてしまったりして。

    ほんとにごめんね。
    でもね、綺麗事だって笑ってもいいから聞いてほしいんだけど、ハウルを応援してくれてるみんなのおかげで、おれは音楽続けようって思えたんだよ。

    僕は定期的にツイキャスというもので、弾き語りしたりするんですけど、そこでいつも変わらず待ってくれて、声かけてくれるみんなにすごい救われたんです。やっぱまだ終われねえ、バンドやりてえって思えた理由に、紛れもなくみんなの顔があって。
    たとえどれだけ時間がかかったとしても、どんどん離れていくお客さんを目の前にしようとも、もう一度HOWL BE QUIETを始めたいと思ったんです。
    そして、そんなおれらの想いに、背中を押してくれるように仲間になってくれたのが拓郎。ほんと年下の癖して、辛い時に声かけてくれんのよね、あいつ。にくいわー。

    何はともあれ、そうして拓郎を新しく仲間にして、出来上がった新生HOWL BE QUIETがアルバムを出します。
    うさぎとかめで言えば、圧倒的に亀だろうけど、どんなに小さな一歩でも、後ずさりせず、前に歩んでこれたのは、応援してくれてるみんなのおかげです。
    のろまでごめんな。
    でも、でも、こんなゆっくり歩くおれらと、一緒に歩いてくれるみんなに本当に感謝します。誇りに思います。いつもありがとう。

    このアルバムがおれらの未来です。おれらの希望です。
    無様だろうと、こんなことを書くのは、このアルバムが未来を担ってるからです。
    バンドを続けたい。ハウルで音を鳴らし続けたい。ただそれだけなんです。
    そのためならたとえダサくたって、このアルバムをちゃんと届けたい。そう思いました。

    ちゃんとあなたの元に届いて欲しい。
    「おかえり」ってでかい声で言ってもらえるように、心の奥底まで届けたい。
    まだ見ぬ僕らを知らない人にも届けたい。
    何がなんでも届けたい。聴かせたい。それだけです。

    だからね、あんまりやったことないんだけども、アルバムのセルフライナーノーツなるもの。というかセルフライナーノーツを今日から綴っていこうと思います。
    アルバムまでの予告編。アルバムの解体新書。

    2年振りのアルバム「Andante」
    自分でも思い出すように、紐解いていこうと思います。

    そしてオフィシャルHPにて、あとから見返せるようにまとめてもらえるみたいなので、いつでもどこでも、読んでもらえたらうれしいです。

    それでは明日から。
    セルフライナーノーツ。始まります。